2008-09-29

[]「水滸伝 7」 北方謙三

自分の中での水滸伝のイメージってファイアーエムブレム系の個々の戦闘力で戦っていく物語だと思っていたのだけど、実際の所はわりと普通の戦国シミュレーション寄りであったのだなあと思っていたところで、それでもわりとファイアーエムブレム的展開であった今巻。五人で敵の包囲網を突破せよ!という感じで、結構燃える展開であった。朱仝とか雷横もいいんですが、豹子頭林冲が単騎で現れたときは思わずゾクゾクしてしまってなんかまんまと北方先生の手のひらで弄ばれている感じがしたわけで少し悔しかった。

んで、聞煥章とかいう謎の敵軍師が現れて結構前面に出てきたりして、官軍側が一個バージョンアップというか、官軍というより青蓮寺が強くなったんでしょうけども、おかげで史進が少華山を捨てて梁山泊に入ったりしてるわけですけども、こう、今まで外にいた人間が梁山泊に入ってくると、中にいる好漢達との絡みがいちいち新鮮な感じで面白いですね。まあそういうことを言うならば宋江梁山泊入りが一番大きなイベントなわけですけども。

でもわりと自然というか短命二郎がその名の通りに死んだり雷横も星になったりしているごたごたの中で梁山泊入りしているのであんまり感慨深いものもなかったのだけど、晁蓋がやはりものすごく喜んでおり、ここから革命が始まるんだ…という期待感みたいなのは結構ありますな。

あとは関勝がようやく登場したり。関勝が関羽林冲張飛ってのはどっかで聞いたことがあったのよな。関羽だったら出てくるの遅すぎなような気がするけど。んで、相変わらず食い物描写が美味そうすぎてなんかとにかく肉が食いたくなる。肉汁がしたたる骨付き肉にむしゃぶりついて顔を油でテカテカにしたくなるので困る。というかなんか具体的な料理名が出てくるわけじゃなくて、何々をどうした何かというような表現なのに美味そうな食い物なのよな。いや書いてるだけで思いだして腹が減ってきた。あともうそろそろ本格的に揉みはじめる予感がする。

水滸伝 7 烈火の章 (集英社文庫 き 3-50)

水滸伝 7 烈火の章 (集英社文庫 き 3-50)