2009-03-17

[]「水滸伝 13」 北方謙三

三国志だったら終わってるぜの13巻ですけども、まだまだ続きますっつうか、これ本当に19巻で終わるのかしらってちょっと不安になってきたりもしていますが、あまりの自らのペースの遅さにもう一度最初から読み直すべきなのではないか…という思いに囚われているのですがどうでしょうか。どうなんでしょうか。

まあそれはともかくとして、官軍がようやく本気出してきた的なそういう動きを見せつつも、梁山泊の超人がギリギリの所でしのいでいくというような展開なんすけども、序盤の梁山泊強しの印象からだんだんと押されはじめてきてるような、そういう感じであり、この先劣勢に追い込まれていくのではないだろうかという不安もあったりなかったりするような感じですけども、なんかこう、読んでるうちに官軍にも感情を動かされたりしてるときがあるので、やっぱ読んでて面白い。

梁山泊に出てくる官軍つうのは、ここまで来ると結構選りすぐりといいますか、腐ったようなやつはほとんど出てこないわけであり、方向性の違いはあれど、やはり英雄的人物な描写もあるわけで、梁山泊に比べても見劣りしないのよな。だから官軍側視点の面白さというのもある。

でもまあこの巻は朱仝がすごかったな。頭の中でエイジオブエンパイアみたいな画が浮かんだんだけど、ゲームだったら100%死んでるっつう感じであり、おめえこれ呂布クラスでも死んでんじゃねえのというレベルの戦いを乗り切ってしまうという展開が熱かった。うんまあ水滸伝だとわりとある光景だよねとどこかで思いつつやっぱり燃えた。

で、宋江がものすごい頭領然としてきたので、なんだか嬉しいような寂しいような複雑な気持ちです。宋江は基本おとぼけだと思っていたのに。あとこういう事を書くのは本意ではないんですが、孔明諸葛亮がどうしても浮かんできてしまうので、早めに退場して欲しかった。この孔明も好きですけども。いや諸葛亮よりかっこいいかもしんないけど。

水滸伝 13 白虎の章  (集英社文庫 き 3-56)

水滸伝 13 白虎の章 (集英社文庫 き 3-56)