2009-05-11

[]「水滸伝 15」 北方謙三

いやいやいやいや人が死ぬ。この巻の序盤なんか出てくる度に人が死に、死んだ人を看取った人が次死んだり。ああーまた…つって思ってそろそろこの辺で死なないんじゃないかなあ…と思ってるとやっぱりまた死んで、これは完璧に死んだろっていう人が生きたりするというか、なんつうかその梁山泊vs官軍総力戦でありますよな結局。

総力戦であるからして、各塞ごとにそれなりの人が出てきて、官軍側も宿元景とかがあれするほどの戦いではあったのだけども、宣賛が例の敵が総力で攻めてきたときに本拠地を狙う戦法によって梁山泊が勝利してしまうといいますか、梁山泊は基本的には壊滅しなければ根本的な敗北ではないので、勝利条件はゆるいといえばゆるいのだけども。負けなければ世間的には宋という国に負けなかったということであり結果的には勝ったような扱いになるわけであり。

にしても、今回は林冲史進も活躍はそこそこに色んな人間が活躍して、ほんで死んだり死ななかったりしましたな。しかしこの巻はスナイパー花栄がすごかった。基本的に遠距離からクリティカルを連発するのでそりゃあ強いよなと。命中率も半端じゃないし。ある意味最強キャラなのかもしれない。

そして最近戦闘メインなので軍師宣賛は活躍してますが、呉用の出る幕も随分と減りましたな。まあ宋江なんかもあんまり出てこないですけども。あと扈三娘のあれは久々エロ謙三を見たような気がします。何か淡々としすぎてて逆にエロスというかなんつうか。

なんとなく終着点が見えてきたんだか見えないんだかよく解りませんけどもあと四巻でどう決着をつけますのやら。楽しみではあるけども心配でもある。そして楊令はどこまでパワーアップを果たすのか。あと武松と李逵はなんかもう別働隊にもほどがありますよねという感じであり。光栄水滸伝ラスボスである高キュウがようやく動き出したな…つう感じで次へと続きます。唯一評価される能力が保身ってどうなんだ高キュウ。キュウの字は文字化けするぜ。

水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫 き 3-58)

水滸伝 15 折戟の章(集英社文庫 き 3-58)