2011-02-08

[]楊家将と血涙を読んだ

久々に読書などというカテゴリを書いておりますが、最近本読んでも感想書くほどでもねえなっつうか、感想を特に抱かないというか、実際あんまり本読んでないというか、基本的に北方三国志と北方水滸伝ばかり読んでいる感じなので、特段書くべき事も見当たらなかったのだけど、その流れならば楊家将は読まないと駄目って感じだったので読んでみたらすごくはまっていろんな感想も出てきたのだけど、こう、言葉にするとうまくないというかあんまりぴしっと来る言葉がないんだけどまあなんかいろいろ思ったのでとりとめもなく書く。

お話としては北漢に楊業という人がおりまして、武力統率100くらいのものすごい武将なんですけども、その、上司に恵まれなかったというか、ベンチが阿保やから野球がでけへんという話で北漢があまりにあまりだったので、宋という国に下ったらまあ重宝はされるんだけど、どっかしら戦馬鹿だと思われている節があるというか、軍閥としてある程度独立した存在になっており、外様は外様っつう扱いをされておりつつも、遼という軍事家相手にするからには楊家超重要であり、なにやら複雑な存在であった楊業という感じです。あらすじ書くの昔よりへたくそになったな。まあいいや。

とにかくその楊業がすごいんですよ。実際のとんでもなさっつうのはそんなにくどくど描かれてないような気がするのだけど、もうなんか楊業すごいっつうオーラというか、失敗しないのなこの人。完全無欠というか隙がない。なんなら家族ひっくるめて楊家無双という感じである。どうやったらこの人たち負けるんですかというか、楊業はなにをどうしたらやっつけることが出来るんだろうという感じであった。まあネタバレしてしまうとあれですけど、ああいう展開で終わらせるしかやりようがなかったんだろうな。とにかく楊家将は結構つらい終わり方するんですよ。あーなんか濁して書くのめんどくさい。楊業は死にます。敵と味方全部に殺されるという。もうここまでずっと楊業がとんでもないハイパー武将になっていたので、そりゃねえよというかそこまでしないと駄目ですか…って思ってしまうのよな。北方小説は人がよく死にますけど、こんなにつらいのはなかった。つらすぎて嫌な気分になった。

でまあ、楊業が本当にとんでもない人であるのは間違いないのだけど、子供に対する部分は完璧ではない感じでして、普通の人間じゃないから普通の父親であっていいはずはないのだけど、そこまで気を配ってられない部分もあるのかなと思いきや、結構しっかり見てるというかちゃんと教育は行き届いており、やっぱ隙はないのよな。だから楊家軍が強すぎた。子供たちすべてが一軍の将たり得る存在であるから強いに決まっている。

多分その強さが欠点になったとしか思えないのだよな。強いからこそ恐れられるし、一番激しい場所で戦わなければいけないし、軍事力だけが突出しているから、独立することも考えることすらしない。政治的にうまく立ち回ることも出来ないという。王貴というのもいたけれど、後半は対宋に忙殺されているし。王貴みたいなのが何人かいれば全然違う話になったんだろうなとは思った。四郎がもっと頭角を現したりしても違ったんだろう。というか遼に行ってたらどんなことになっていたか。しかしまあすべて読み終わってから原典に触れたけど相変わらず展開無茶苦茶ですね北方先生。だがそれがいい。つうか長くなったので血涙の話はまた。

楊家将〈上〉 (PHP文庫)

楊家将〈上〉 (PHP文庫)

楊家将〈下〉 (PHP文庫)

楊家将〈下〉 (PHP文庫)