2009-12-27

[]「大久保町は燃えているか」 田中哲弥

前作の大久保町の決闘がウエスタンものであり、前回同様のウエスタンギャグアクションの続編かと思ってたら全然違った。あらすじ全然読んでなかったからいつウエスタンになるのか…って思いながら読んでたら終わった。大久保町という舞台だけが固定なのね。

あらすじ。大久保町ナチス占領されていました。そこに大学に合格したばかりで人生で最も油断している時期の男が車で突発的に大久保町に入町してしまい、あっという間に捕らわれの身になって出るに出られずにいたら、ナチスと戦っていたレジスタンスに助けられ…。

まーゆるい。水滸伝のあとまともにストーリーのある小説が読めなくて苦労していたのだけど、なんかいいリハビリになった。北方水滸伝のよくないところはエンドレスリピートで北方水滸伝しか読めない病を患ってしまうところであり、これは楊令伝終わるまで抜けられない感じなのだけど、他の本も読みたいのでなあ。いやそんな話はともかく、大久保町は燃えているかの話ですけども、なんつうか色々な要素がてんこ盛りでご都合主義でテンポよく進んでいくんだけど、そのご都合主義が非常に心地よいのですよな。まあご都合主義すぎる展開そのものがネタになってるような気もする。この人の小説は部分部分の文章が面白いので、全体の展開は添え物っちゃあそうなんですけど、全体の展開も面白いので、まあ全体的に面白いのであろう。このまま長いこと積んでた最後の大久保町も読んでおきたい。

大久保町は燃えているか (ハヤカワ文庫JA)

大久保町は燃えているか (ハヤカワ文庫JA)