2007-05-08

[]「やみなべの陰謀」 田中哲弥

なんか知りませんけどライトノベルの人という印象だったんですが、ハヤカワから出ているのを見て読んでみたらこれがすごく面白かったのでびっくりした。素晴らしいSFであった。サティスファクション。サムライフィクション。いやサイエンスフィクション

あらすじは…ある日突然主人公の元に屈強な男が千両箱を持ってやってきます。でも千両箱の中には九百九十九両しか入っていなかったのです。というような話です。違うけど大体そうです。とりあえず短編集の形をしていますが、それぞれにつながりがある連作短編集であり、これだけならばどこにでもあるような形式なんですが、ここまで巧妙かつ面白く作られているSF連作短編集は初めて読んだかもしれない。筒井康隆でもこんな事はやっていないような気がする。

結論から言えば傑作なんですけども、話自体すんなり飲み込めるのかといったら微妙なところもあり、整合性に関しては突き詰めて考えたらあっているような気もするという感じなので、読み終えての爽快感というのはそれほどすごいものではないんですけど、なんかもうそういうのはどうでもいいから面白いという感じで強引にねじ伏せられたような感じがする。でも多少の強引さって必要じゃないですか人間。

とりあえず文章が面白いんだろうなという感じはした。とにかく読みやすい。独自性というかアクの強さみたいなものは感じないんだけど、面白い面白いつってどんどん読んでいける感じ。まあ話自体は面白いけど無茶苦茶なので、そういうのが好きな人は読んでみるといいんじゃないでしょうかね。筒井康隆が好きな人は田中哲弥はすんなり読めると思う。まあまだ一冊しか読んでないんですけど。手始めに名作との噂だけは聞いている大久保町シリーズより洋書を滅茶苦茶に翻訳したという本を読みたいと思いました。いいんだなそんなことしても。

やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA)

やみなべの陰謀 (ハヤカワ文庫JA)

[]ひらがな

最近タイトルがひらがな四文字のものを見ると内容その他を全く知らなくてもなんかもうオタク向けに作られた的なものなのではないかと一瞬思ってしまう習慣がついている。

[]基本的には全部読んでるつもりだけど

もしかすっとこういう事を書くと不快に思われる方もおられるかもしれないような気もするのだけど、まあそれはそれとして書いてしまうと、最近になって気がついたんですが普段アンテナとかRSSリーダに登録しているサイトは上がっていれば毎回必ず全部開くんだけども、タブブラウザでバーッと開いても絶対に読んだことがないサイトというのが存在することに気がついた。読み流すというレベルでもなくって、絶対に読まない。そしてそこには有益なことが書かれているというということも解っている。登録したときには読んで面白かったので登録した記憶があり、その印象だけは残っているサイトなので、読めば面白く有益なのも解っているのだけど、なんだか気合い入れないと読めなくて、流し読みするくらいなら読まない方がいいような気もするし、じゃあ外せばいいんじゃないかという感じでもあるのだけど、絶対そのうち読む、読んでない分も含めていつか読む、と思っているので外さないわけでありながらも結局読まないというなんだかよく解らないことになっている。