■ [漫画]「おひっこし」 沙村広明
わりと読んでるうちに幸せになる類の漫画だった。物語自体がそういう物語というわけじゃなくて随所に挟まれる小ネタというかそういうのでいい感じの笑いをもらえる。ああでも「おひっこし」は普通にいい話だったと思うというか超青春!という感じでした。というかとてもあんな無限の住人とか描いてるような作家には見えない。いま無限の10人て変換された。まあいい。
しかしこう、人の気持ちというか好意というか愛情というかそういうものを汲んでゆく話みたいなので普通に楽しませてもらえるとは。大概こういうのは辟易してるんですよ…という感じの読後感が多いんですけども。ああ、そうかこれラブコメかあ!と途中で気がつかされるほどラブコメっぽくないけど確実にラブコメなのだなこの漫画は。
もう一個の「涙のランチョンマット」の方はギャグなんだか本気なんだか曖昧…というか確実にギャグ寄りなんでしょうけれども、これはこれで面白いというか、何かを長期連載してる人がその道を外れて好きなこと描いてるやつは大概面白いという感じの結論が俺の中で出されかけました。まあ他の例を「家政婦が黙殺」くらいしか知らないのだけど。
とにかくまあ読まなくても別に人生の損失というほどの本ではないと思いますけど、読んだら確実に心の中に何かを残していくような、精神を蹂躙していくような類の漫画だと思います。面白かった。それと…な…名古屋…。