2008-09-05

[]「水滸伝 4」 北方謙三

宋江旅に出るの巻。宋江が各地に散らばっている叛乱の芽を育てていく感じというか、なんつうか宋江の志自体は理解出来るのだけど、それがどれほどの意味を持つのかというところがピンと来ないのでこの人がどうしてここまで人の心を魅了して止まないのかというところが深いところで理解出来ないのですよな。普通の三国志における劉備みたいなものなのかな。チャームの魔法などが使えるレベルの人たらし。

しかしまあなんとなく宋江は旅を続け、その仲間を増やしていき、晁蓋は剣を作り、李富は馬桂を籠絡し、武松は虎を殺すのであった。あれ武松じゃなかったっけ殺したの。李逵だったか。それにしても二回も虎殺しの描写が出てくるとは。ねえ。いくら何でも殺しすぎですよ、虎。とりあえず李逵の強さを見せるというのと武松の成長という意味があるのかもしれませんがそれにしても。面白いからいいのだけど。

とりあえず全体的にいい話っぽいのが続いていますけども、その間に梁山泊がどうしたいのか、どのようにして叛乱の基盤を固めていっているのかというのが丁寧に書かれている。ほんでもって官軍の方も着々と対策を練ってきてはいるのだけども…つって全然出てきてないですけど魯智深の存在感がものすごいですな。魯智深一人で宗という国がどうにでもなりそうな。そうでもないか。宗だけに。そうでもない。宗だけに…!

水滸伝 4 道蛇の章 (集英社文庫 き 3-47)

水滸伝 4 道蛇の章 (集英社文庫 き 3-47)