2009-12-08

[]「釣れんボーイ」 いましろたかし

中年漫画家ヒマシロタカシは趣味の鮎釣りのために仕事したりなんやいろいろ悩んだりしているのでしたという漫画。ずっと読みたいと思っていて探していたのだけど見つからなかったので楽天で文庫の上下巻手に入れた。というかなんかこう私小説じゃなくて、私漫画的なものを読んでいるとどうしても桜玉吉を思い出してしまうんですが、なんかこう、グダグダとした中年男の哀愁というか、なんかこう行き詰まっている感じを釣りが解放してくれているというか、まああんまり釣り漫画として成立しているとはいいがたいような感じではありますけども、なんか釣りしているときだけは現実から逃れられているような、そういう釣りの良さを感じることは出来た。

というか普段の生活パートが読んでいると結構きついものがあるのよな。なんか息苦しくなるというか、解るようで解らないようで解るというか解りたくないというか。なんかもうしょうもないなと思いつつも、なんとなく理解しているのがいやなのよね。うん。で、この人ってなんか特有の人間くささというか、人間的にいやな部分つうか隠したい部分を開けっぴろげに書いている感じなのでなんか読んでてたまに辛くなる。

ほいでそれが釣り漫画パートで解放されるのが気持ちいいというか。釣りの時は基本的に釣りのことばっかり考えているのでいいんだ。とりあえずこの人は釣りの時の魚が乗った感じを表現する事においては半端じゃない才能があると思います。なんかこう、描き文字だけで興奮するというか。いか釣り全く興味ないけどちょっとやりたくなったものな。まーでも中年ってわりと色々思うところありますよなあ。うん。

釣れんボーイ (ビームコミックス)

釣れんボーイ (ビームコミックス)