2008-01-22

[]ばくはつよ

USBメモリとかSDカードとかHDとかその辺のデータを保管する系のものって限界容量を超えたものを入れようとして限界超えた瞬間にボンッとかいって爆発しそうな気がするのだけど、まあそんなことはないのでよかったです。

[]「三国志 13」 北方謙三

爰京って感じのいい死神みたいだよなあ…とか思っていたら、北方三国志という物語における死神としてきっちり殺してくれたのでやっぱそういう存在なんかなあと感じた。もうなんかやっぱ孔明がどう頑張ったかという点においては面白味があったものの、この三国志はある意味劉備が死んだ時点である程度終わっちゃったんだなあというくらいテンションががらりと変わってしまって、最後までその悲壮感といいますか使命感みたいなものだけで終わっていったので、なんか孔明かわいそう…ていう感想だけが残ったような気もする。

司馬懿に関してはただのドMって言ってしまってもいいのかもしれないですけども、完全に受けに回ってしまっており、さらに呉に関してなんてほとんどフォローもないまま終わっていって、んで思い出したかのように張衛の最後を描くという。そういやここでも呉が悪者だなあ。今まで呉の視点の三国志って読んだことがないので読んでみたい気もする。孫策とか周瑜がいる頃はわりと呉も目立ってたんだけどねえ。

んで、馬超ですよ。まさか馬超でここまで話を引っ張っていくとは思いもしませんだ。呂布から張飛へ受け継がれたものの最終的に行き着いた先が馬超だったような。そんな感じもした。あと張衛もその分岐の先にいたような気もする。

あとがきがセコムの人だったので、なんとなく薄々は感づいていたものの、北方三国志ってビジネス書の一種だったのかもしれないなあとかなんとか。もしかすると三国志自体がそういうビジネス書関係の面白味を持っているのかもしれないし、北方三国志だけがそうなのかもしれないですけども、なんか色んな立場で面白いと言いますか色んな人に感情移入できる感じで、それはまあ各々の視点において語らせているという書き方にもよるのかもしれないけど、なんかもう色々悩んだときに手に取ってしまいそうなそんなお話だったような気がする。

まあ俺が北方三国志をどれだけ面白がったかというのを簡単に言い表すと、半年くらいかけて13巻読み終えたのにすぐまた1巻から読み返したいと思うくらいには面白かったですよ。あと北方三国志のおかげで三国志の世界そのものに理解が深まったような気がする。史実どうのはさておいて、今まで読んだ三国志の中で一番親切な三国志だったような気がします。でもやっぱいちばん面白かったのは劉備ハードボイルドに役人を殴ったシーンだったなあ。あれは素晴らしかった。1巻のあの描写を超えるインパクトは残念ながらなかったです。それほど衝撃の劉備でありました。あーしかし終わったんだなあ。うむ。

三国志〈13の巻〉極北の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志〈13の巻〉極北の星 (ハルキ文庫―時代小説文庫)