2007-10-01

[]「三国志 6」 北方謙三

げえっ!孔明!と横山三国志を意識した感じの書き出しで始めさせていただきましたが、とりあえず諸葛亮孔明が登場する巻です。って前巻のあの引きであればとりあえずその話から始まるのかと思いきや涼州馬超の話を挟んでくるのが北方三国志っぽいなあという感じがした。盛り上げるだけ盛り上げといてちょっと一休みさせるというか。

北方三国志を読んでいると視点の切り替わりの時に昔のトランスフォーマーにおけるデストロンサイバトロンのマークが出てくる感じで各々の旗印がクルクル回る絵が浮かんでくるんですけど、まあそんなわかりにくい話はさておいて、孔明先生ですよ。三顧の礼はわりと普通というか、一回目から普通に出会っているので本当に三回訪ねて三回会っているのであった。三回行ってようやく三回目に会ったというのとはまた意味あいが違ってきますよな。

とにかくこの人の書く物語ってわりとリアル指向なのですよね。今までの三国志の常識ではありえないような所も独自の解釈で現実性を持たせているし、だからといってその武将の価値が落ちたりとかそういう書き方をしているわけでもなくて、現実として理解できる範疇に三国志を持ってきているというか、本当にこれは相当の筆力を必要とする作業なのではないかなあと感じる。

そして理解できるということと重なってこの時代の歴史というものに関しても、今まで自分の中でぼんやりと構築されていた順列みたいなものがクッキリしてきた感じがある。ある程度の下地がないとどうなのか解りませんけども、ここで何が起こってどういう事情でこういう展開になるのかというのをいちいち理解させられながら読まされているような。今まで読んだ三国志で足りていなかった部分を補完されている気がする。

で、出てくる登場人物がいちいち格好いいとか劉備のキャラが違いすぎるとか色々思ってましたけど、やっぱり一番格好良く描かれてるのって劉備軍なのかもしれないなあと思ったりもした。長坂坡の戦いを読んだせいもあるかも知らんけど。ただの負け戦ではないというところがなあ。戦略と戦術とかちょっとしたビジネス書みたいな感じで普段そういう本を読まない俺などにはなんか目から鱗が落ちるようなそんな思いを味わったりもするのであった。

三国志 (6の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

三国志 (6の巻) (ハルキ文庫―時代小説文庫)

[]じゅうがつ

毎年のことですが9月30日から10月1日になった瞬間が一年の中で一番「ええーっ!」ってなります。なんでだろう。なんかもう終わるぜ今年…!ってなっちまうのかね。まだ結構あるのにね。もう三十回も経験してるのにまだ慣れない。

[]三沢さん

NOAH鑑賞。三沢と丸藤のGHCヘビー級タイトルマッチを見たんだけどもトーナメントまでやってどっかで最近見た記憶の強いこのカードをやったにも関わらず三沢が勝ってしまうという展開に三沢の衰えを感じてしまう結果になってしまったような気がした。動きそのものはけっして悪くないのだけど、以前の三沢では考えられないような決めるべき所できちんと決めるべき技を決められないというあたりを見てしまうとものすごく寂しい。しかも中途半端に失敗しつつもかえってエグい角度で入ってしまったりするので勝負自体にはめっぽう強いという矛盾が。昔の三沢はエグい技はエグい技として基本的には綺麗な技を決めていたもんですよな。あれだけ綺麗なプロレスをするのにあんなに下品な下ネタを喋るというギャップが面白かったのに三沢。いつまでチャンピオンでいなければいけないのでしょうかね。