2006-12-08

[]「二〇〇二年のスロウ・ボート」 古川日出男

古川日出男村上春樹のカバーというか、中国行きのスロウ・ボートリミックスだというのは知っていたんだけども、最初にこの本を選んだのは失敗だったような。いやものすごく面白いんだけど。この圧倒的すぎる一人称はどこか舞城王太郎的ですよな…と思わせつつ、しっかり村上春樹が入っている。いや全体の雰囲気が村上春樹なんである。

中国行きのスロウ・ボートも軽く読み直してみた、というか読み終わったあとに、こ、こ、こここんな話だったっけ…?と思って、あらすじを思い出すために眺めてみたというか、とにかくまあ話は全然違う。似てるところもあるけど全然違うし。それでも村上春樹っぽいこの雰囲気はどのようにして出しているのだろうか。自意識を昇華させると村上春樹っぽくなるんだろうか。

ともあれ、リミックス云々については感心した以外の感想がないんだけども、この人の書く文章のリズムとわりと無茶な展開というか、無茶なお話が、常人とは思えない発想が、すとんと俺の読みたい作家リストに古川日出男を入り込ませてくれた。ということで、びびってアラビアの夜の種族とかを買わなかった、というか、これとそれしかなかったんでこっちを選んだんだけども、そっち買っておけばよかったと思ったというか、わりと安心して読めそうな作家さんであるなと感じた。あーでもやっぱ舞城っぽい感じもするなあ。所々の言い回しとか。いい意味で舞城っぽい。いい意味でって書いておけば何書いても最終的にはいい意味になるって、中学二年生の二学期に隣の席に座っていた女の子が言っていました。

二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))

二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))

[]寝させてよ

「巨悪も美女も眠らせない」という超ハードボイルド入ったかっこよろしい言葉がありますが、いろんなものを眠らせないとしたらどうかと思ったのでやってみます。

こういうのをやると結果として下手な鉄砲になるのは解りきっているんですけどもやってしまうわけでどうにもこうにも眠れない。

[]噴いた

先日ネスカフェスパークリングカフェという炭酸コーヒーが15円で販売されていたので買ってきたよと差し入れされて、その値段を聞いて漠然とした危機感をもっていたのだけど、一口飲んでみたら探偵物語のOPにおける松田優作さんのごとく盛大に噴いた。だってすんごい不味い。どうしたらこんなに不味いのが作れるのか、この商品の開発に関わった人たちというのはどこかで冷静になれなかったのか、誰か止める人はいなかったのか、もしかしたら不味いのを売りにしたガキ水みたいなものなのかしらとひとしきり議論したあとに流しに捨てましたスパークリングカフェ。しゅわしゅわいってた。