■ [読書]「みんな元気」 舞城王太郎
なんだか久々に読んだら相変わらずわけがわからないけど面白いという感じが増幅されているっつうかなんつうか、この人の本読んだらいっつもそんなことばっかり書いてるような気がするんですけど、実際そんな感じの短編集。
話の筋はあるんだかないんだか、空を飛ぶ家族が自分とこの息子ととある家庭の娘を強引に交換することから始まるんですけど、愛と選択の物語っていわれてもなんのこっちゃという感じもしますけど実際そんな感じであり、愛って言われれば愛なんだよねえとは思うんだけども、こう、あからさまに愛とか言われると変な感じもするんよねえ。
全編どうも夢の中のお話っつう感じであり、ギリギリ日常の部分からギリギリ非日常に変わる部分は面白かったけど、全体を通すとなんかぼやけている感じであり、ぼやけながらも言いたいことは言ってるんで、話としては成立してるような気分にさせられるんですな。しかしまあ面白かったといえば普通に面白かったような気がするけど、舞城王太郎を面白いと思う自分が好きっていう部分もあるんじゃないかしらとか思ったりもする。
あと舞城さんはこの本で「物語を楽しむ力というのもまた物語についての知識と経験に大部分を負っているんだろう」つってるのでこの人の本を読んでれば読んでるほどこの人の本は面白いっつう感じもあるのかしらねえと思った。