2008-02-12

[]「クワイエットルームへようこそ」 松尾スズキ

久々に三国志じゃない本を読むのでなんか薄いのをと思ってなんとなく読んだらまあ普通に面白かった。松尾スズキの文章自体がわりと好きというのもあったけど、妙な読みやすさがあって、基本的に全面的にふざけている普段のエッセイとかそういうのに比べると、わりときっちり読ませる感じであり、松尾スズキ侮りがたしという印象を受けた。いや別に侮ってないですけども。

あらすじはオーバードーズ精神病院に入院させられた女の人が色々と考えたり暴走したり落ち込んだり苦しんだりなんやかんやする話です。なんかもう病院のワンフロアのみで展開していく感じで、妙な閉塞感がありつつも話がどこかへ飛んでいったりはしないっつう安心感もあったりして、なんだかよく解らないけども読んでて気分が重くなったり軽くなったりした。

基本的に女性の一人称で進んでいくんですけども、内容はだんだんと明らかになっていく感じで最終的になんか一緒になって憑きものが落ちたようなそんな感覚を覚えるくらいの変な感覚があった。読んでる方としては主人公がわりとまともだと思っているんだけども、それでも最終的にそんな感覚が残るってことはやっぱりどっかおかしかったんだろうなあっつう。とにかくなんか変な読後感が残る小説でしたよ。面白かった。

クワイエットルームにようこそ (文春文庫)

クワイエットルームにようこそ (文春文庫)