■ [読書]「三国志 9」 北方謙三
色々あったけど最後でゴゴゴ…!ってなってあんまり他のことが思い出せず。蒼天航路だったらあと二回くらいで終わってしまうクライマックスですよな。しかしわりと淡々と、そして確実に追い詰められて関羽雲長が退場してしまうのであった。麦城って名前が出てくるだけでなんか悲しい気持ちになってしまう程度にはこのシーンを何回か読んでいるわけですけども、やっぱり関羽は偉大で強くて格好良く散るのであった。
この関羽はあんまり神々しくはないし、そんなにバカみたいに異常に強いっつうわけでもない感じだし、妙に人間らしいというか、自分の正しさ故に倒れるみたいなそんな感じすらするのだけども、読み終わってみると関羽が…関羽が…ってなって驚いた。これで張飛があれしたら俺はどうしたらいいのだろうか。
つうか関羽死亡がきっかけでバタバタと死んでいくのよね。どんどこ退場していく。それにしても一番最初の孫堅辺りからそうですが、退場からちょっと前のこれからこのように生きて天下に覇を唱えていくという計画を描いていく感じとか、この人が生きていたら天下はどうなっていたかさっぱり解らないという感じにして、死んだときの無念な感じを増幅している感じがたまらない。そしてあくまでも退場はさっぱりしているっつう。
んで、今回張衛が異常に生き生きしていたのが印象的だった。五斗米道をやめたらこんなにすっきりワイルドに!みたいな。あんだけ悶々としていた分ギャップがねえ。あと一個印象に残っているのは曹操が張コウに「揉みに揉むというのはやめよ。策を考えよ」みたいなことを言っていたので揉みに揉むというのはいわゆる力攻めのことなのかしらねえと揉み戦略について理解を深めたのであった。あーでもこれから先はどんどこ死んでいくのだろうなあ。寂しい。
にしてもこんなに長い時間をかけて読んでいくとは思いませんでしたよ。年内に読み終わるんだろうかこれ。