■ [読書]「秘剣流れ星」 南條範夫
南条先生と来て流れ星と来たらこれあなたすなわちシグルイであり、失うことから全ては始まるわけであり、手負いの方が強いんだなわけであり、って色々諸々間違っておりますけども、ともかく駿河城御前試合における無明逆流れに出てくる流れ星もしくは星流れの原型的な小説であります。いや正確な作品の関係性は解りませんけれども。
ともかく濃尾一帯にきこえた剣客宮本虎眼が考案し、金岡雲竜斎に伝えられたという流れ星、横なぎの一閃というまあシグルイにおける岩本虎眼先生が使用する技と同型であり、さらには涎小豆ならぬ、伊良子清玄が行ったと同じ飯粒斬りなどの逸話も語られている。
しかし内容的にはシグルイというより、やっぱり時代劇調なのであった。もうね、普通にぶんぶん流れ星が炸裂します。とりあえず一なぎごとに数人が死ぬるという流石の破壊力ではあるのですけども、乱発しすぎでありがたみがあんまり。お話の内容的には右往左往七転八倒という感じの活劇であり、普通に面白いんですけどなんかちょっと流れ星に関するお話が色々とあるもんだと思ってたからちょっぴり肩すかしを食らった感じではありました。