2007-04-06

[]「くノ一忍法勝負」 山田風太郎

ちくま文庫忍法帖短編シリーズです。値段が高いわりにはページ数が水増ししてあったりしてなんか残念な感じなのだけど、これでしか読めないのも結構あるのでなあ。あ、でも最後の方100ページ近くある絵巻みたいなのも需要自体はあるのかもしれない。これはせがわまさきのイラストがおまけについているのでよかったっす。

それにしても山風でありくノ一小説なんでもう忍術の発想とか着想がすごいことになっている。性的な意味で。それにもう医学部出身の知識を総動員したようなギリギリありそうだけどないでしょうそれ…というデタラメ医術もえらいことになってますよ。性的な意味で。とにかくもう全編エロスですな。性的な意味で

個人的には松平忠輝のスーパー武将っぷりがどこか隆慶一郎の捨て童子を連想させるモノがあり、性的な意味でもものすごかった!という点を補完している感じがして、でもまあ最終的には全然方向性が違うんですけど、とにかくまあ山風先生は恐ろしいですよねと思ったりした。

ともかく久しぶりに山田風太郎忍法帖を読んだけれども、俺の伝奇小説の入り口であり原体験みたいなモノなので、実によく馴染む。馴染む!馴染むぞーっ!という感じである。なんにしてもこの短編集は今まで読んだ中で多分被りがなくって、また全部が全部面白かったので非常によろしかったです。これどっかで読んだことがある…という感じがしないでもないのに易々と予想を裏切って期待にはこたえるという凄まじさ。性的な意味で

[]死ぬことと見つけたり見つけなかったり

武士道は極めるところまで極めると毎朝布団から出る前に想像の上で一度死んでおくという必要があるらしくそういう人たちのことを「しびと」というわけでありますが、それを現在に適用して「しびと健康法」とかそういうのを考えたんです。毎朝死ぬことによってどんどん健康に!とかそういう。詳細は各自想像で補完してください。

[]日当たりのいい古本屋

近所にものすごく開放感のある古本屋さんがある。ものすごく日が入るのだ。西日が。西日を背表紙に受けて、古本達はものすごく日焼けしていくのであった。長いこと置かれている本なんて背表紙真っ白になっていたりするのである。要するにやる気がないということなんだろうけど、そこのお店に最初に入ったときには生まれて初めて本気で本がかわいそうだと思ったりしたものであります。本屋さんはやはり多少ジメっとしてるくらいでちょうどよいのでしょうな。あんまりジメジメしてても問題あるだろうけど。