2007-02-22

[]「秘太刀馬の骨藤沢周平

これはちょっと面白いですよ。時代小説であり剣豪小説でありミステリであり家族小説でありとまあいろんな面があわさって複雑ながらも単純に面白い。

あらすじは江戸時代の北国の藩で家老暗殺に使われたという幻の剣「馬の骨」の正体を今の家老が自分の甥と配下に命じて探らせ、その秘剣の使い手及びその正体を明らかにしようという話であります。

で、その甥というのが微妙に性格の悪い男で、馬の骨を伝授されている可能性のある男たちがその正体を隠すためにも立ち合いを拒むのだけども、どうにかして立ちあうためにその周辺を探り、弱みやら醜聞を探して、それによって脅迫やら恫喝まがいのことをして無理矢理戦って大変なことになったりするんだけども、そこに至るまでのプロセスが面白いというか、なんかもう無茶苦茶なのにいい話に持っていく手腕みたいなのがすごかったですよ。

そしてその馬の骨に絡んで、派閥闘争などが出てくるわけですけども、各々の目的やら動機などをいちいち推測していくのが妙に現実味があって、俺のような単純な人間は毎回引っかかるのでなんだか悔しかった。だって俺この小説ミステリだと思ってなかったし。

なんか妙なタイトルですけども、そのなんとなく間抜けなイメージで読むと、意外と驚かされる小説であった。でも奥さん絡みのエピソードっているのかなこの小説に。ざっと読んでみた感じでは解らなかったんだけどたぶんいるんだろうなあ。またしばらくしたら読み返してみたい小説であります。あと映像化されたのはなんとなく知ってたんだけど、銀次郎視点なんですねえ。それはもう全然違う話になりそうだ。見てみたい。

秘太刀馬の骨 (文春文庫)

秘太刀馬の骨 (文春文庫)

[]もっとひどい鈴原トウジを考えた

「すまんなあ転校生、わしはおまえを蛍光灯で殴らなあかん。蛍光灯で殴っとかな気が済まへんのや」

[]ひどい鈴原トウジを考えた

「すまんなあ転校生、わしはおまえをバットで殴らなあかん。バットで殴っとかな気が済まへんのや」

[]足の小指

今までの人生において足の小指が大活躍した記憶というのはあんまりないんだけども、何かにぶつけて悶絶したりした経験は結構あるというか、たった今もぶつけたので足の小指というのは何かにぶつけて痛まるためだけに存在しているのではないかとか思ったりもしたよ。