■ [読書]「聖の青春」 大崎善生
「将棋の子」を読んだら当然のごとくこれも読みたくなったので読んだ。村山聖というプロ棋士の一生を追いかけた本であった。というか大崎善生さんの本の根底に流れている絶望というのは、村山聖という人間と出会ったことに始まったことなんだろうなあなどということを思ったりさせられた。優しくて深くてどうしようもない絶望。あ、いやどうしようもないから絶望するのか。
村山聖という人は幼少の頃ネフローゼという病に罹り、異常なまでに疲れやすいという病気を抱えながら、入院生活の中で将棋と出会い、将棋に全てをかけてその一生を突き進んでいくというような話で簡単にいうと非常に切ない話。どうしてこの人がこんな事になるんだろうなどと思ったり、いやこうだからこの人はこうなったんだと思ったり。
この村山聖という人自体はとてつもなく魅力的であったりもしないし、本格的に将棋に興味があったわけではない自分のような人間にとってはそれほどのカリスマではないし、病気のせいもあってこの本の中ではわりと人間的にわがままな所が目についたりもするんだけど、決して憎めない感じなのである。強欲でなければ名人になんかなろうとは思いもしないだろうし、そこら辺の将棋に対する欲も含めてのわがままなんだけど。変人といえば変人でもある。
二十九歳で亡くなられて、本人としては無念極まりないだろうけれどこれだけ精一杯生きて、戦って、人の何倍も苦しい思いをして将棋を指して、周りの人に支えられたり支えたりしながら、とにかく生きたというか、人生に一本筋の通った人の物語というのは非常に読み応えがあるものだなと改めて感じた次第です。年齢的に近いものがあるとはいえ自分とちょっとでも比べるのはおこがましいのであんまり感情移入はしなかったけれども。でもすごかった。
■ [プロレス]大日大戦を見たよ
大日本プロレス中継がやってること自体知らなかったんですけど、テレビ埼玉でやっていることを知ったので、見られるときには見ることにします。でも蛍光灯デスマッチ痛くて見るの辛いのよなあ。そのうち慣れるのかしら。でも昔に仕事で大量の蛍光灯を廃棄したときにこれ大日本プロレス持っていったら喜ばれるかなあとか職場のプオタたちで語らっていたこともあったなそういえば。
元々グレート小鹿の団体で関本大介とか伊東竜二とかアブドーラ小林なんかがいるデスマッチ狂いの団体というイメージだったんですけど、普通に葛西純が面白い。前歯が無いだけでちょっと面白い。急に思いついたかのように一分くらい水を口に含んで普通に試合してたのも面白かった。子供か。ダイビングボディプレスで蛍光灯の束が折れなかったのもなかなか。
今回の試合はわりとコントっぽい内容だったんだけども、やってることは無茶苦茶ハードであり、普通にああいう試合を日常的にやっているのが恐ろしくもあり頼もしくもありなんだか複雑な気持ちになった。デスマッチも行き着くところまで行くと試合が成立しなくなるからなあ。とりあえずWINGとFMW辺りでデスマッチの記憶が薄れている俺のような人間でもどこら辺までついて行けるのか心配ですが出来るだけ見ていきます。
関係ないけど大日本プロレスのことをなんでBJWと表記するのかと思ったらビッグジャパンプロレスリングってことなのだなあ。なるほど。