2006-12-04

[]「パンク侍、斬られて候町田康

あーもう、すげえ面白い。感想が書きにくいというか、小説読んでここまで笑わされるというのはあんまり無いので、笑ってしまってから笑ってる自分に対してちょっと引くくらい普通に笑わされる。

しかしまあ内容は笑ってばっかりもいられないというか、結構酷い内容であり救いのない話であるのですが、それがまた笑えるのだから本当にすごいわ。内容としては超人的剣客が一人の老人を惨殺する所から始まり、それを咎められた超人的剣客がこの老人は宗教的団体である腹ふり党の一員であり、腹ふり党はどんどんどんどん増殖していくわけなので、今俺は斬り殺したのであり、増殖を未然に防いだわけで感謝されることはあっても咎められるいわれはないというあたりから始まる話です。この序盤のやりとりだけで魂のほとんどを持っていかれた。あらこれ傑作じゃんとここで思った。

冷静に何が面白いのかというところを考えてみると、時代小説のていというか、時代劇小説、いやメタ時代劇小説みたいなていで書いているのかと思ったら、唐突なタイミングで現代の言葉がポンポンと飛び出してくるというか、そこら辺自由に書いているので普通だったらありえないんだけど、町田康だからありって事になるのがすごいというか、現代作家が自分の言葉で昔の話を書いているんだから、今の言葉が出てくるのは当然ではないかというようなことを思わされるくらいの筆致が凄まじい。

そんでまあ、この小説には色々な世の中の真実というものが包み隠されずに書かれているというか、町田康が普段から思っているであろう鬱憤やら不満やら世の中のおかしな所を、時代劇の中で登場人物に語らせているのが面白い。決して自分では語らないのである。読み終わってから気がついたけどこれって風刺なのね。というかこの小説は三人称で書かれているのですよね。この間読んだ「告白」もそうだけど、町田康の小説は三人称の方が色々と解りやすくなっているような気がする。一人称のグルグルぶりもかなり好きなんですけども。

ともかく町田康先生はある種の天才だと思います本当に。少なくともこういう小説は読んだことが多分ない。ふざけた時代小説というのは読んだことがあるような気がするけれども、徹底的にふざけながらもこんなに真面目な時代小説というのは読んだこと無いなあ。いやはや面白かった。

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

パンク侍、斬られて候 (角川文庫)

[]あなたにも今日から出来る無影脚

まず高いところに上る。高ければ高いほどよい。その街のシンボル的なものに上るといいと思う。で、エイヤッと飛び降りる。そこで蹴りを何回も出すと無影脚の完成であります。簡単。

ものすごく早い蹴りというのが無影脚であるという話もあるので、そういう方はものすごく早い蹴りを出せばよい。簡単。

[]ヨネさん

NOAH鑑賞。高山・佐野vsヨネ・森嶋でGHCタッグ王者決定トーナメント決勝戦。これを見てて思ったけれど、俺は本当に佐野が強かった頃というのを知らないんだよなあ。初めて見たときにはもうすでに昔はすごく強かったという人だった感じが。というかSWSの人だったんだな最初。週刊プロレス派であった俺はSWSのレスラーは別の世界のレスラーだったような気がする。でもなんか佐野という選手はすごいんだけどあんまり前面にすごさを出さないというのが売りに見えてなんだかよく解らない。

そんなことはともかくヨネがキン肉バスターに入る前にキンニク!って叫んでいたのが面白かった。そんなかけ声無いよ。あと試合してないときの森嶋の顔がものすごいことになっており、全体的に笠木忍でもなく、テリー・ゴディでもなく、もっと何か別の生き物に進化した森嶋猛が恐ろしくてしょうがない。試合見るのは好きだけど、もし街中で見かけても絶対に気安く声かけられない存在感。それにしてもモハメド・ヨネは大食いとかしてた頃を考えると立派になられた。この中に入って違和感がない所まできているだけでもすごいのに。チャンピオンだもんなあ。

[]滑舌の悪い人に言わせたい競走馬の名前

ジェニュイン