■ [読書]「猫にかまけて」 町田康
いつか買おうとは思っていたのだけど、なかなか手が出なかったところ、誕生日のプレゼントで本を買ってもらえるというイベントがあったので買ってもらった。こんな事でもなければ文庫落ちまで待っていただろう。
内容はもう全部猫の話であり、都合四匹、いや四頭か、その猫たちの話であるのですが、どうしたんですか町田さん!と思ってしまうくらい、文体が、普通、なのです。びっくりした。いつもならば一冊町田康の本を読んだらば、あっというまに町田文体に脳みそを冒されてしまい、似非町田文体になってしまったりするんだけど今回はそれがなかった。
というか今回は、文体云々じゃなくって話そのものが非常に興味深く、犬派とか猫派とか関係無しにペットと暮らすということについて色々と考えさせられる感じだったです。文体が抑えた感じになっているからといってつまらないなんて事はもちろんなくって、なんかイメージとのギャップが非常によかった。そして抑えていても面白い文章には違いないのである。
個人的には最後の章に大変なことがありつつも自分と向き合ってしまう自分というか、どこまでも観察者としての町田康というのがよかった。やはりこの人はすごい作家であるとつくづく思い知らされた感じである。あとこの人の本では「告白」も購入候補に挙がっていたのだけども、どちらかにしようと思ってこっちを読んでなんとなく正解だったような気がしている。この少し町田康の本から離れていたタイミングでこの本を読めたのは僥倖であった。と、思う。
■ [日記]酒日記
最近酒を飲むという行為はわりと好きなのだけど、酔っぱらうというのを忌み嫌うようになっており、これはもう酒は飲んでも飲まれるなというか、酒飲んで酔っぱらわないならばいったい何のために酒を飲むのかという話になるわけでありまして、なんだかよく解らない矛盾を抱えている最近。