2008-05-06

[]「アヒルと鴨のコインロッカー伊坂幸太郎

相変わらずよく出来たお話ですことという感じの読後感。言い回しとかに引っかかるところはあったりしますけど、基本的には読みやすいというかするする話が頭に入ってくる感じであった。あとまあ毎回書いてるかもしれないけど映画っぽい感じがものすごい。でまあこれは映画になってるらしいけど、どうやって映像化してるのかちょっとは気になるところですよな。そういう小説。

あらすじ。大学に入学するってんで、引っ越してきた先のアパートで会ったのは背の高い馴れ馴れしい青年で、会ったそばから一緒に本屋を襲わないかとか言ってくるような変な人で、なんだかんだ振り回されつつ、平行してその青年に絡んだ過去の話が進んでいくっつう流れで、この人の小説によく出てくる、ちょっとひねくれてるけど人の良いやつとかひねくれてるけど気が利いてるやつとかそういう面子でのお話です。

で、正直ちょっとした普通の青春小説って感じで油断して読んでたんですけども、久々にこの、意味のない悪意というか絶対的悪意みたいなのが唐突に放り出されてきて戸惑ったりした。なんつうか大概の悪意を目にしてもあんまり感じるものはないくらいにはすれている読者ですけども、この人の書く悪意は共感も推測も許してくれない感じなので結構怯む。

お話としてはいつもほどの衝撃はなかったけども、なんか主人公が途中参加に気付く所のくだりが結構よかったです。詳しく書くとネタバレになると思うんだけども、脇役感というのはいつもわりと考えていたことだったので、それをきちんとしたお話として書いているっつうだけでなんだか読んだ価値はあったなあと、読み終わって微妙にモヤモヤしながら思いました。

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)

[]トイレット

いわゆるトイレにおける大きい方というのは努力に結果がついてこないような気がするのは俺だけか。頑張るときほど成果がない。