2007-02-12

[]「陽気なギャングの日常と襲撃」 伊坂幸太郎

前作の映画を観たせいで頭の中で主要な人物全員が映画の配役になってしまって困った。しかし映画自体はまあすごく面白かったとは思ってないんですけども、この小説に関しては面白かった。映画的で。映画より原作の方が映画っぽいというのはなんだか不思議な感じ。

嘘発見器人間、演説の達人、スリの名人、体内時計を持った超絶テクニックの車泥棒もやってのける運転手という、まあなんだかよく解らないけれども、すごい能力を持った人たちが集まってギャングというか銀行強盗をやるという話であり、今回のメインは銀行強盗ではないんですけども、四人とあとメカに強い人の力でなんだか妙な問題に立ち向かうといった内容。

とりあえずはこの小説にはほとんどリアリティがないです。そこがまた映画的と感じる所でもあるのだろうけど。表面的な面白さを追求していくとこういう形になるのかなというような。だってスリのテクニックを使えばいろんな細かいところをすっ飛ばせるし、すごい運転手がいれば移動にはまず困らないし、人間性は真逆だけど嘘発見器男と口八丁男がいれば人間動かすことも容易だろうし、おまけに便利グッズ作っちゃう人までいたらどこら辺に敵が存在するんだろうという感じなんですけども読んでて楽しい。

軽快すぎるという感じもあるけども、なんとなくノリで読んでいけるし、言い回しの妙みたいなのも結構心地よかったりするわけであり、最終的には面白かったというような気分にさせられるわけであります。しかしこの小説は最初に前作に出てきた四人がそれぞれ活躍する短編という趣であったらしく、序盤にその感じの短編が収められているんだけども、その短編一つ一つは正直いって微妙な感じであったので、全部を短編にしなくてよかったと思います。この人には短編小説というのは文字通り短すぎるんじゃないだろか。

しかしその予定変更のおかげでいつもの伏線回収がおとなしめだったのは新鮮だった。ラストは今ひとつ納得がいかないような気もするけどこれはこれで。うん。

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

陽気なギャングの日常と襲撃 (ノン・ノベル)

[]「ピューと吹く!ジャガー 12」 うすた京介

ポギーさんとジョン太夫が出ていたので満足です。なんかものすごく久しぶりに単行本読んだような気がします。というかもうこれ、いつまででも続けられますよね。もうマンネリズムとかそういうの超越してる。好きなこと好きなだけ描いても許される感じが。気のせいか。

個人的に一番好きなのがジャガーさんピヨ彦の二人だけで展開する話だということが判明した。アパートでだらだらだらだらだらだらしてるのとかが一番面白い。しばらくして急に思い出したりする。「ニッポージーン!」「ガーイコークジーン!」とか。霊が映ってるとか映ってないとか。今回だと暑いとか暑くないとか五月病とかその辺が面白い。この二人が一緒に住んでる時点でだいぶ面白いです。

あーあと浜渡浩満がちょっと格好良くなってるというかほんの少しまともになっているので、今までの駄目さ加減から比べるとすごい格好いいです。だって元々忍者だし。格好いいですよね。紐捌きが超一流というのはすごい。のび太あやとりとか射撃みたいな。誰にでも一つくらい取り柄があるものだ。

そして俺はうすた先生の描く女性キャラが相変わらず好きだなあと思ったのでした。そんで冒頭の内海マークシティがわりと衝撃だった。

ピューと吹く!ジャガー 12 (ジャンプコミックス)

ピューと吹く!ジャガー 12 (ジャンプコミックス)

[]どんな言われようか

「日記が服着て歩いているような人」という賛辞を考えた。

[]田上どん

NOAH鑑賞。秋山はなんか最近余裕のあるところでしか試合をしていないような気がする。なんか一段上の所にいる感じというか。若手とか格下相手の壁みたいな。まだそういうところに定着していい感じには見えないんだけどなあ。秋山準の一番いい時期っていつだったんだろう。永田さんとやり合ってた頃かしら。なんかもったいない。潮崎は小橋の真似から抜け出せない感じがなあ。こっちももったいない感じである。

佐野vs杉浦はNOAHにもダウンカウントという制度があったことに驚いたりした。前にも見たことあるような気もする。田上vs橋はもうなんかひどいことになっていたというか、田上明は一体どこに向かっているのだろうか。橋相手に丸め込みってそれは田上としてどうなんだ。なんかもやもやんとしたものを感じるな。田上らしいで片づけてはダメな問題のような気もする。

あーあと小橋はなんかしゃべり方がおかしくなってたなあ。なにかを達観したような感じにも見える。前からこんな感じだったっけ。