■ [読書]「魔岩伝説」 荒山徹
誰ですか魔岩伝説がおとなしいとかいったのは。めちゃくちゃじゃないですか。特に中盤から後半。にやつきが止まらないというか失笑というか快笑というかとにかくそういうものが顔に張り付いてました。
あらすじはえーと「若き天才剣士遠山金四郎景元が桜吹雪の入れ墨を背負うまで」でよろしかったでしょうか。思わず日本語も変になる感じですけども、当たり前のように出てきます朝鮮。そして柳生。この辺に関してはあとで書きますけど、魔岩伝説が他の荒山作品に比べておとなしく感じるのは虚実の割合が半々くらいになっているからだろうと思われます。だって他のやつなんか大抵7対3…いや8対2くらいだもの。
この話では真実を5割、嘘を5割、そこに柳生卍を加えたらこんなに素敵なお話になってしまったという感じでしょうか。このですね柳生卍というか柳生卍兵衛が荒山徹オリジナル柳生のくせに格好いいのである。いやオリジナルなればこそであろうか。面白くてそして格好いい。そして剣を持たせりゃ超強い。というか念願叶っていざ決戦であれはねえだろうとは思った。卍兵衛せつねえ。
ともあれそんな初見で解るオリジナル柳生を出してくる程度には自由なこの小説ですので、話の内容というのが実にむちゃくちゃ。こじつけのみで成り立っているような、そんな小説。伝奇小説としては非常にスタンダードな感じでありつつも、なんかこれってもしかしてファンタジー?と思わせるような描写も。というか荒山小説においては忍術=妖術なのでどうしてもファンタジックになってしまうのだよなあ。それもグロファンタジック。わりとグロい。六死とか。ともかくこの人の書く妖術に慣れ親しんでしまうと、ちょっと顔変えたくらいじゃ全然驚かない。ルパン三世の変装程度の驚きしかなくなりますよ。山風忍者でももちっと苦労するぞ。
でまあ、話の内容は一言で言ってしまえば荒唐無稽なんですけども、これが実によくできている。構成も展開もテンポもいい。話のこじつけ方とかねじ曲げ方も。これだけ歴史クラッシャー的な一面を見せられてもそれはそれとして読めるのは、荒山徹先生の筆力のすごさなのであろう。だってこんな話ちょっと間違ったらどう考えてもまともに聞けないですよ。話し方によっては間違いなく拒絶する。それをさせない力強さがこの先生にはあるんだろうなと。
そして所々で朝鮮やら日本に対する露骨なまでの嫌悪やら侮蔑を文章に込めているのが相変わらずであるなと思うのだけど、果たしてそれが本当にこの人の言いたいことなのかどうなのかということを判断しかねるくらいこの小説は面白いのであった。あと最近知った情報ですけども、荒山徹先生は今後中国史を陵辱する可能性も高いらしい。やべ、もんのすごく楽しみだ。
■ [漫画]ゲーッ いい肉
いい肉の日である今日、俺が考えていたことはといえばマンモスマン初登場時にあなた方は「ゲーッ 象の超人…」つって驚いてましたが、そのパターンで行くとキン肉マンは「ゲーッ 肉の超人…」となるよなあと思って一人で笑ったりしていました。もうちょっとマシな感じだと「ゲーッ 筋肉の超人…」となるのだけど肉の超人の方が面白い。
あとそれのパターンで色々と考えていたのだけどスペシャルマンのことを考える段になって「ゲーッ 特別な超人…」というのと共に「そう、なぜなら彼もまた特別な超人だからです」というヴェルタースオリジナルなフレーズが浮かんだ時点で色々とどうでもよくなって考えるのをやめました。