2006-08-19

[]「高麗秘帖」 荒山徹

我が朝鮮海戦技術は世界一イィィィー!というような話でしょうか。何故だか読後にそのフレーズが脳内を占拠してくれたので少々困った。ということで、今を生きる伝奇小説家略して伝奇家もとい伝説家、略さないで伝奇小説家である荒山徹先生のデビュー作ということで心して読んだらわりと普通だった。

というか荒山徹さんを評する際によく用いられるのが、山風隆慶の両御大ですが、荒山先生はもっと違う種類の変態です!と、そういうのを見る度に少し歯がゆさを感じていたのだけども、この小説を読むと確かに山田風太郎チルドレン…という思いが頭をかすめる。手法が結構似てるんですよね。隆慶先生に関してはその陰をあまり見せてはいないのだけど、俺には俺の解釈があるわけで、つまりは俺が書いた俺のための俺による歴史があるという感じはこのあとの作品で存分に発揮されているわけであり、山風隆慶が融合してしまったら荒山徹に…いや、自分で言っておきながら認めたくない。どんな化学反応起こしてるんだよ。

この小説に限って言えばわりと健全な伝奇小説家ですよこの人は。まあ今では持ち芸のひとつであるスプラッタも出ているし、各々の立場を説明してこういう歴史的状況の中で話は進行していくよという段階で色んな所に毒を吹きかけるのも周到なので荒山小説の基本はあるんだけど。しかし主人公であると思われる李瞬臣をあまり魅力的に書かないというのは意図的なものなのだろうかな。文化の違いというのを読み手に解らせるためのものであろうか。

そう、よく考えてみたらこの小説には魅力的な人間というのがほとんど出てこないような気がする。最終章にいたるまで主人公自体誰なのかというか、これは一体誰の物語であるのかというのがよく解らない感じであり、多分各々について書きたいことがありすぎたのであろうなという欲張りな荒山先生の気持ちを勝手に推測したりもした。

しかしまあとにかくプンシンスギルが全部悪いという、そういうことでいいんでしょうね。きっと。そしてこの後真田十勇士と出会い、柳生を取り込んで荒山徹は次のステージに移行したのである。これは荒山徹が世に出るための蛹の姿みたいなものなのだろうて。しかしこの小説で一番妙な違和感を覚えたのは唐突に関羽が出てくるところだった。何で関羽。もっとこう…。

高麗秘帖―朝鮮出兵異聞 (祥伝社文庫)

高麗秘帖―朝鮮出兵異聞 (祥伝社文庫)

[]タモリ倶楽部

キューバを9倍楽しもうという回。その発想は無かったわ。キューバといえば…野球…?ゲバラ…?くらいのイメージしかなかったんですけども、まあそんなに知識は増えなかったです。というか見る度にイラッとするのでなるべく見ないようにしていたのだけど、多分ブラザーコーン氏が出ていたと思うので何でこんなにむかつくんだろう…ビキィ「!」「!!」という感じになっておりましたのであんまり番組に集中できませんでした。あーでもこのあいだのグーグルアース有効利用されていたのでそこはよかった。

空耳は三枚。手ぬぐいが。

[]ジャッキー・チュン

必然性があったのかどうか全くもって記憶にないのだけど、ドラゴンボール亀仙人はサラッと不老不死とかを手に入れているとか言っちゃってるので恐ろしいことじゃよと思いました。まあ嘘なんだけど。何でそんな嘘付いてたんだろう。どっかで死ななきゃいけなくて嘘ということになったのだろうか。全く記憶にない。