2006-03-30

[]「博士の愛した数式小川洋子

小川洋子さんの本は数冊読んでいて、なんかどうもちょっと肌に合わないというかしっくり来ない感じだな…などということを思っていたのだけど、本屋大賞を取ったりしてやたらめったらと世間の評判がよかったこの本はいつか読もうと思っていたので読んでみた。

んで、小川洋子さんはやっぱり小川洋子さんだなあという当たり前の感想を持ってしまった。ただ俺の抱いている小川洋子さんのイメージよりはきっちりこの小説は物語を書いている印象。雰囲気だけじゃないというか。過去に読んだこの人の著作にも面白いものはあったと思うのだけど、そのどれよりもきちんと形が見える小説だった。

話の内容は有名なのでわざわざ書くのもあれですけれども、一応書いておくと、事故により記憶が80分しか持たないという老数学者の元に派遣された家政婦とその息子のお話。記憶がいちいちリセットされるという発想そのものは独創的とはいえないと思うのだけれども、その設定を使った日常の話というのははじめて読んだので、人はやはり記憶の積み重ねによって構成されていくものなのだな…などと当たり前のことを思ったりした。というかこの手の設定が出てくると大抵叙述ものとかSFものになってしまう様な気がするんで、普通に書かれるとまた違う趣がある。

ちょっと内容に触れるけれどもいまいち納得がいかない箇所があって、博士の記憶というのは80分毎にリセットされるのか、それとも一人の時間が80分を超えるとリセットされるのか、そこら辺がなんかちょっと曖昧な感じがして、そこでちょっと物語に入り込むのを足踏みさせられる感じがあった。どっちでもいいのだけど、でもそれって結構重要なことなんじゃ。それとも俺がちゃんと読んでないだけの話だろうか。

あと数学云々に関してはあんまり興味のない話だったのだけど、興味がないなりに理解できる部分もあって面白かった。しかしここのところずっと伝奇小説の類を読んでいたので、このようなどこまでもいい話というか、暖かいだけの話というのを読むと非常に違和感を感じるなあ。これは完全に俺の都合なわけですが。ふむ。

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

[]キン肉マン2世アルティメットマッスル(終)

見た見た。全部見たよ。ロビンマスクのヒゲは鋼鉄製でしょうか。唐突に始まった万太郎vsヒカルド、ケビンvsイリューヒン、ケビンvs万太郎と三試合しかやらなかったんですけど、万太郎vsヒカルドで半分以上話を消費していたので贅沢だな…と思った。

多分2世で一番の名シーンであると思われるマンタvsケビンの超人オリンピック決勝というかこれでは超人ワールドカップでしたっけ…とにかく決勝は面白かったです。みんな本当はクロエウォーズマンだって気づいてただろ?とかなんといっても結末の…ネタバレだけどいいですよね、あの、マッスルグラビティを出す唐突さ。おいおい最後キン肉バスターかよ…キン肉バスターは首のフックが甘いから返されちゃうぜっていうか6を返すと9になるぜ万太郎よ…などと思いながら見てたら、ま、まさか!あれか?あれやっちゃうか!と不安になったと同時に本当にマッスルGだったので死ぬほど驚いたというか呆れた。マッスルGはリボーンアシュラマンに勝つために開発した技なのに…。

多分初代のスグルvsウォーズマンでのスグルが説明も前振りも全くない状態という非常に唐突な感じでいきなり新必殺技キン肉バスターを出して勝ってしまうというののオマージュなんでしょうね。そう思わないとやってらんないですよ。しかし本当に原作に忠実に作ってある感じであり、その分ラストがアレだったので農村マンの存在が間抜けすぎた。今こそ豊年万作ズラ~!じゃないっすよ。あと原作にあったかどうか忘れたけどケビンマスクの兜の傷が自己修復したところが一番驚いた。なんだあれ。