2009-08-26

[]「キミは他人に鼻毛が出てますと言えるか」 北尾トロ

キミは生き残ることが出来るかみたいなタイトルですけども、なんか傍観者というか観察者、それも筋金入りの第三者みたいな立場を貫いているような著者が自ら行動を起こしてそれを文章に起こしているような。そういう話。

タイトルの質問だけに絞れば俺は滅茶苦茶言います。言えまくります。さすがに全然知らない人には言わないですけど、ある程度面識あればばりばり言える。つうか言わないと気が済まないというか、相手のことを気にかけるというより、自分が気になってしょうがないだけだという。鼻毛はいろんなものを台無しにするな。以前親しみやすさの演出としてわざと鼻毛を出しているのだという人もいましたけど、そういうのもありなのかと思ったけど詭弁だよなあれは。

この本の筋としては、わりと普通のおっさんが普段流しているようなことにちょっとの勇気を出して突っ込んでいくという。それで事態が好転する事はあんまりないけど、ネタにはなるよなという。というか、ネタになると思えば頑張れるという話にも見えるな。だいたいの話に緊張感がありすぎて、俺にはとてもじゃないけど無理だ。とりあえず最初の知らない人と話をするという時点で無理すぎる。たまに人に言われるけど、心に壁を作っているから相手も心に壁を作るのですみたいな指摘をされて、ああなるほどねえていうかそんなん解ってるわ、解った上で壁を作っているのだ、ウォールオブ俺だとか心の中でぶつくさ言っていたのだけど、壁を取り去れば相手も心を開いてくれる可能性というのはゼロではなくなるのよな。そういうことだったかと納得した。しかしまあなんにしてもあんまり文章にクセがないので読みやすくて面白い。読みやすいから面白いのか面白いから読みやすいのか。

まーあの時なんでああしなかったんだろう、って思ったようなことを行動することによって一応の解決というか、気持ちの上での決着を付けているようなそういう本だった。

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)

キミは他人に鼻毛が出てますよと言えるか (幻冬舎文庫)