2008-10-06

[]「水滸伝 8」 北方謙三

戦争が始まるよっつう感じで、いままでの局地戦から初の総力戦が行われるわけですけども、官軍的にはまだまだ本気には至っていない感じもある。というか禁軍が本格的に動かない限り官軍の本気は見られないということでしょうか。

それにしても人がぽんぽん死んでいく。ひどいときにはキャラクターを理解した瞬間に死んでしまう。思い入れが発生した瞬間に死亡してしまう。どんなやつだったか思い出している間に死ぬ。悲しいけどこれ戦争なのよねという感じではありますけどもそれにしたって死ぬのですよ。テンポよく死んでいく。あれこれ死なないんじゃないの安道全が治しちゃうんじゃないのと思ってもわりと。

死ぬ死ぬばっかり言っててもあれなんですけど、馬桂のあれもすごかった。そして李富は喉を潰して聞煥章は足をなくして。生き残る者は生き残る者で色々失っていくのだよな。無傷で戦っていくなどというのは虫のいい話なのかもしれないですけど、総力戦が始まる度にこれからこうなのでしょうかね。戦がわりと怖い。

しかし武力90台だと思われる人間はびっくりするほど無傷で済んでしまうのよな。やはり戦闘に長けた人間つうのは優遇されている感じですよね北方戦記。で、林冲の嫁に関しては今更それが出てくるのかーという感じもありますよね。さすがに林冲はここでは死なんだろうとは思うのだけど、楊志の例とかもあるから油断は出来ない。で、あれだけ青蓮寺最強くらいの扱いを受けていた王和の退場もあっさりしてたなあ。まあ退場者が多くても代わりの人間が結構すぐに出てくるのがいいところではあるんだろうけど。でもまあ官軍の方は死ぬより梁山泊に取り込まれる方が多そうな気もしますな。

水滸伝 8 青龍の章 (集英社文庫 き 3-51)

水滸伝 8 青龍の章 (集英社文庫 き 3-51)