2007-04-23

[]「天と地と 中」 海音寺潮五郎

中巻。長尾景虎が強力な戦闘能力を発現すると共に潔癖ともいえる性分を身につけていく展開。大人の恋愛の機微とか性的なものが気持ち悪い!などといいつつぶんぶん戦って人を殺めていく様というのはなんか見ていて変な気分になる。人間として完璧を求めるあまりどこかしら人間性を欠いていく感じというのは俺が以前から上杉謙信に対して抱いていたイメージに近いものがあるので、納得はしているのだけれどもこうまで苦悩して過ごしていたっつうのは意外であった。

というか未だ上杉謙信にはなっておらず、どうもそれは武田信玄と同じく出家したあとの名前であり、わりと人生の終盤の方で使用される名前なのだなということを知った。つうてもまだこの小説の謙信は二十歳そこそこなんですけども。ともあれ上杉謙信にはもろさも含めてどこかしら完璧超人に似たものを感じる。

んで、この小説を読んでいて時々感じるのだけど、自分の心の中の何かを突き動かす一文があったり、あ…!と天啓みたいに頭の中にどおんと来るようなフレーズが結構あるわけで、なんだか妙に役に立つ時代小説であるなという感触もあった。こうなんといいますか人間の内面性に訴えかけてくるというか、上杉謙信の話にかこつけて海音寺潮五郎先生が言いたいことを言っているだけなような気もするけれども、なんか読んでてとにかく「ああっ…!」てなりますよ。解っちゃいるけどそれを改めて文章にして読まされるとまた違った感覚がある。長いけどまああんまり中だるみもなくて面白いです。

天と地と 中 (文春文庫)

天と地と 中 (文春文庫)

[]リキさん

NOAH鑑賞。佐野の前哨戦とかハードコアタイトルマッチが普通にタッグマッチになっていることに関してはまあ別にどうでもいいんですが、なんか力皇猛の毛髪量が増えているような気がしてならない。前からあんなに普通の頭でしたっけ。誰かと勘違いしているような気もするんだけど、なんとなく力皇はちょっと薄めの人という印象があったのでちょっと驚いた。あと力皇猛という名前を見るとファイプロ力皇斬を思い出す。

[]真壁さん

ワープロ長州がキレたり中西がWWE払い下げのオーランドジョーダンと戦ってアホアホアピールしているのはまあ別になんだっていいんですが、真壁が結構面白いことになっているのだなあということを知った。なんかもういろんな意味で誰とやっても格下感が強かった真壁がそれなりの存在感を持っているのを見るとなんとなく妙な気分になる。こういった生まれながらの中堅レスラーみたいな人がブレイクするのを見るのは結構面白いものがあるものですな。越中とか永田とかもそうだけど。そういえば15年くらい前の越中vs蝶野を最後に流していましたが、貴重な越中ギブアップのシーンを流すワールドプロレスリングは意地が悪いなあと思った。越中は何度も三銃士に勝ってんだって!