2007-05-03

[読書]「吉田電車」 吉田戦車

前読んだ吉田自転車はそのまんま自転車に関する話でしたけども、これもそのまんま電車に関する話でした。電車といっても電車そのものに関するいわゆるテツ的なお話ではなくって、電車に乗ってどっかにいったとか電車に乗ってるとどういう気持ちになるかとかそういうところに重点を置かれた感じの話であった。

というか別に電車どうこうではなしに普通に吉田戦車文体というのは読みやすくて心地よいのですよなあ。あんまり電車に乗らない回とかもあるし。いや全く乗ってない回もあったな。とにかくまあいい感じに無責任な方向でお話は進んでいくわけであり、最近の中断しがちな俺の読書事情なんですがこれはまあ普通に一気に読んでしまった。薄いし。なんだか読んでいて読み終えるのがもったいない感じでもあった。

あと前回も感じたことだけども、この人はたったの一文で人の心をわしづかみにしてぐしゃぐしゃにしてしまうような効果的なわけのわからないことを挟んでくるので油断が出来ない。ああーその言い回しかーなどと思ったりする。その発想も自分自身思いつきそうで冷静に考えてみたら絶対に思い出せないような微妙なところをついてくるので本当にすごい。あとこの後の吉田観覧車も展開的に無理がありそうで楽しみなのですが、それでシリーズ終了らしいので吉田戦車という単行本はでない感じらしくそこは非常に残念です。

吉田電車 (講談社文庫)

吉田電車 (講談社文庫)